プワゾンドールズ #3
- ハッピーエンド クリスマス -
200×年。
あと30日間で人間の世界が終わる。
爆発的な勢いで世界に蔓延した新型ウイルス『オールドスパーキー』は世界中の人々の体を蝕み、30日後の12月25日に
一斉に発症すると偉い学者達は研究の末知ったが、トップシークレットだったこの事項は半日もしないうちに世界中にニュースとして流れた。
この理不尽な運命を回避する方法は皆無で、人々は神様が気まぐれで与えたようなこの破局にただ怯え震えるばかりだった。
かむなぎ
日本某県、神薙市神薙町。
宗教団体の集団自殺や絶望に身を焦がれた人々の暴動など世界中が恐慌を来す中、そのすべてが『テレビの向こうの出来事』で
相変わらずイヤになるほどの平穏と、永遠に続く平坦な日常が続いている町。
そこが、僕たちのハッピーエンド・クリスマスまでのカウントダウンの世界。
日本政府は人々が孤独と恐怖により暴動を起こす事を危惧し、人造人間『ハッピーエンド・ドールズ』を無償で発行。
人を愛し、愛される為だけに生まれたその人形達が、末期患者の恐怖を和らげる安定剤となり得るのだろうか?
ハッピーエンド・ドールズについて