プワゾンドールズ #3
- ハッピーエンド クリスマス -






レディオガール
RADIO GIRL


1.野良猫みたいな娘



 「あれ」

  遂に最後の頼みの綱だったバッグの中身を全部さらっても希望の物は見つからず、少年は呆けたような声を漏らした。

 耳が痛くなるくらいの静寂を割きその声が驚くほど響いたので、パンハイマはあわてて片手で口を押さえる。

 バッグから出してコンクリートの上に積み上げた物品をもう一度眺めて彼は頭の中でしきりにクエスションマークを点滅させる。

 照明の下浮かび上がるのはノートパソコン、フロッピー並びにCDホルダー、モバイル、クリアファイル、そして何冊もの漫画雑誌。

 全部一ヶ月前に家を出るときに突っ込んだ物ばかりだ。

 なのに一つ、どうも足りないものがある。

 冷えた空気にさらされた素手を重ね合わせるとパンハイマはもう一度慎重に記憶を遡った。

  ここは神薙市の中心街のベッドタウンとして造成された住宅街で、山を一つ削って作ったものである。

 その日、日付も変わろうかという時間に一ヶ月ぶりに自分のマンションへ帰宅した彼は自宅のスチール製の扉の前でかれこれ

 三十分ほど身体中のポケットに手を突っ込んだりバッグをひっくり返したりを繰り返して立ち往生していた。

 自宅のカギが見つからないのだ。

 ―― 社に置いてきたんだっけ?

 彼は堂々巡りの考えを再び巡らせて頭を掻いた。肩まで伸ばした金髪が薄汚れた蛍光灯の光を砕いて周囲に散らす。

 記憶の中に彼のカギを発見するような手がかりとなり得る情報は何一つ浮かび上がってこない。

 家を出る時には確かにあったがどこかに置いてきたのかなくしたのかは皆目検討がつかなかった。

 夜中にあまり長い間ゴソゴソやっているのも他の住民達に無用の誤解を招きかねない。

 さりとてこの時間では大家は寝ているだろうし、カギ屋を呼んでも来てくれはしないだろう。

 パンハイマは考え方を変えて『いかにカギを発見するか』でなく『いかに家に入るか』について脳みそを使う事にした。

 「君も考えてくれよ。どうすればいい?」

  一向に見えない解決策に業を煮やし、彼は初めて背後の人間に声をかけた。

 さっきからずっとパンハイマの仕草を沈黙を守ったまま見下ろして突っ立っている男がいる。

 その男は2m近い大男にも関わらず影のように不気味なほど存在感が希薄で、一緒にいても言われなければ気づかないほどだった。

 光を吸収する黒のコートに身を包み、顔は深く降ろされたフードで覆われている。

 男はまるで目の前に初めからその少年などいないかのようにパンハイマの声を風のように受け流した。

 言っても無駄だ、という事はパンハイマにもわかっている。ただ言ってみたくなっただけだ。

 マネキンに話し掛けたような不毛感を覚えながら荷物をバッグに突っ込むとパンハイマはマンションを出た。

  大きく回り込んで裏手の藪を掻き分けながら、マンションの自宅のベランダの前までやってくる。

 普通の人間ならば昼間だって足を取られそうな深い藪なのに、ただでさえ背の低いパンハイマはしかし平然とその中を進む。

 彼の額から鼻の中程あたりまでを覆っているヘッドディスプレイのような物体が、宵闇の中での視界を良好なものに変えているのである。

 強化プラスチック製の外殻に包まれたパンハイマの第二の瞳は闇など大して障害にならないのだ。

 背後から彼の足跡をトレスするようにぴったり着いてきた大男に向き直ると、パンハイマは早口で呪文のような言葉を口にした。

 「ギガント。S−32255 G-G-322」

 返事もなくギガントと呼ばれた男はその言葉の元、パンハイマの眼前までやってくると藪の中にしゃがみ込む。

 身を屈めて適当な大きさの石を拾い上げると少年は目の前の男の背を踏みつけ、ベランダの柵の上を飛び越えた。

 文句一つ言わずにギガントはその場にただ無機物のように微動だにしない。

 パンハイマが再び別の単語の配列を口にすると、えもいえぬ機械的な動きでギガントはその場を後にした。

 その背を見送る事なく、彼はベランダの窓のカギがかかっている事を確認すると一思いに手の中の石をガラスに叩き付けた。



  明日窓の修理を呼ぶ事を脳裏に刻み付けて、ようやくパンハイマは我が家の絨毯を踏む事が適った。

 部屋の中には彼が趣味で集めている古い本独特のニオイが立ち込めている。

 冷蔵庫の中身はすべて処分してある。前回長く家を空ける時にそれを忘れていて悲惨な事態になった事を思い出す。

 灯りをつけて大して物の少ない居間を確認すると、彼は荷物を置くべく隣の部屋へ続く扉のノブを握った。

 それを回転させて引くと同時に視界を何かが埋め尽くした。

 「おらー!」

  なんだか妙に場違いな可愛らしい怒号が、無音に慣れたパンハイマの聴覚を叩く。

 へ? と予想の範疇外の出来事に一瞬思考が空白になった彼は突き飛ばされて居間のフローリングに転がった。

 著しく動転して天井を映し出した視界を再び覆ったのは、彼の頭上で分厚い冊子を掲げ上げる少女だった。

 「この野郎、あたしをさらいにきたな!」

 「待て! 待てって!」

 警戒と焦燥に強張ったその顔が、咄嗟に顔面を両腕で守ったパンハイマを確認してみるみる氷解してゆく。

 「あっ…叔父さん?!」

 「叔父さんだって?」

 眉をひそめて視界を覆っていた腕を下ろすと、彼は恐る恐る自分を見下ろす少女の顔を見た。

 知り合いの女性は多いがその中の親戚の人物と照らし合わせてみてもどれとも一致しない。

 15歳くらいの髪の短い、青のカットソーにジーンズ姿の溢れるような若さを感じる少女だ。

 「僕はハンス・パンハイマだぞ。間違えてないかい?」

 「間違えるワケないよ、覚えてないの? サチだよ。カルフォルニアの結婚式で会ったじゃんか」

 結婚式という単語がパンハイマの脳細胞を僅かに色めき立たせた。

 そういえば数ヶ月前にカルフォルニアで親戚の結婚式があって若い女性には片っ端から話し掛けたっけ。

 その中の一人か?

  場所を譲って退いた、サチと名乗る少女を立ち上がったパンハイマはじっくりとねめつけた。

 すっきり通った鼻と唇が特徴の、何てことはない普通の少女だ。

 あの時かなり酒が回っていたせいか記憶には一向に彼女の顔は浮かび上がってこない。

 その様子を見てサチが記憶の復活を促した。

 「叔父さん酒飲みまくって女の子にばっか話し掛けてたでしょ? あたしにも話してきたじゃん、君の瞳は綺麗だとか何とかさ」

 「うーん…」

 そう言われてみるとそんな事もあったような気がしないでもない。

 「そうだったっけ?」

 「手相を見てあげようとか言ってやたら手ぇ触られたよ、隙ついてキスもされた」

 「忘れたね」

 「ずるっ!」

 話しながら上着を脱ぐとネクタイを解いて居間のソファにかけ、パンハイマは尚もしばらく記憶を巡らせた。

 あの日はほとんど飲めないワインをガブ飲みしていた。記憶がなくならないほうが普通じゃない。

 「フルネームは?」

 「サチ・クラフト。ママは日本人だよ」

 日本人?

 ベルトをゆるめて更に眉をひそめた彼のその脳裏がぱっと閃いた。

 「ああ!」

 親戚の一人が日本人と結婚したという話を思い出し、ようやく連鎖的にパンハイマは記憶を辿ることができた。

 話したことは何度かあるがそういえば子供ができてからは一度も会っていない。

 そうか、この子が。

 「結婚式の事はまだ思い出せないけどエミコ君の娘さんか?」

 「そう! その子」

 嬉しそうに手を叩いたサチがパンハイマに同調する。

 「良かった、思い出してくれて。叔父さんって子供みたいだから全部忘れてたらどうしようかと思っちゃった」

 15歳の少年が手馴れた様子で背広を脱ぐのが何だかおかしくて、笑ってしまいそうになりながらもサチはほっとして言った。

 「子供みたいで悪かったね。僕ァ君の倍の年月は生きてんだぞ」

 パンハイマの身長は160cm前後だが顔は未だにその幼さの抜けない少年のもののままだ ―― 成長期から16年経っても。

 親類一同には『そういう病気』だという事で通しているが、勿論それは真実を欺く為の嘘だ。

 パンハイマは15歳の頃に己の肉体を細胞の実験に使用し、その時点で自分の成長を止めてしまったのである。

 世間には公表していない為詭弁が必要になるのだ。

 「で、いきなり僕の家へ何の用だい? そもそもどうやって入ったのさ」

  楽な格好になって和室に置いてあるコタツに入りながら、台の籠に積んであるみかんを一つ取ってパンハイマは本題に入った。

 スイッチは入ったままだ。サチが入れたのだろう。

 みかんの皮を剥こうとした時初めてそれがカビにまみれた別の物体に変貌している事に気づき、彼は慌てて手を離した。

 「あー…それがねー」

 彼の隣に腰を降ろしてコタツ布団に入りながら、猫背のサチは鬱屈した声を出した。

 「喧嘩したの。親と」

 「それで僕のとこへ避難してきたってワケかい。…日本に来てたんだ?」

 「うーん。ママとあたしだけでママの実家に帰ってる時にさ、事故ったの」

 「事故?」

 ティッシュで手についたカビを取りながらパンハイマが聞き返す。

 コタツの台の上に顎を乗せながらサチが続けた。

 「交通事故。あたし日本の病院で治してもらってさ、何か…頭ん中に血のカタマリができたとか…何とかで。

 入院中もパパは仕事が忙しくて来れなくって、何かそれでママと喧嘩してんの」

 「そのとばっちりで君はママとも喧嘩を?」

 「んー。あの二人離婚すんの」

 サチは何気なく言ったが、これにはちょっとパンハイマは驚いた。

 「そりゃあ大変だったね。で、君は?どうするんだい」

 「別にどうでもいいや」

 別に何の感慨もなさそうに、本当にサチはどうでも良さそうに言った。

 「何だいそりゃあ」

 パンハイマは喉の乾きを自覚したが、家を出る時仕事が長期に渡ることはわかっていたので今我が家には何もない事に気づいた。

 お湯で我慢するか、と立ち上がった彼にサチは己の欲望に極めて忠実なセリフを口にする。

 「腹減った。何か食べに行こうよ」



  パンハイマの家から一番近くのファミレスには歩いて行ける。

 道すがら聞いた話ではサチは手持ちのなけなしのカネでパンハイマの家までたどり着いたのだが、誰もいない事を知ってトイレの窓を

 破ってニ日前から勝手にお邪魔していたのだと言う。

 かろうじて家に残っていたインスタント食品や小銭で食いつないでいたと告白したサチに、パンハイマはむしろ感動を覚えた。

 今時ここまで図々しくもガッツのある娘はそうはいない。

 もし僕が帰って来なかったらどうするつもりだったんだい、と言うパンハイマの質問に彼女は『そこまで考えてなかった』と答えた。

 明日修理してもらう場所が二つに増えた事を心に留めながら、パンハイマは目の前で餓えた狼のように食事を貪るサチを眺めていた。

 深夜一時頃、客は彼ら二人以外誰もいない。

 そのせいかやたらと広く思える中でポツンと二人は席を共にしてサチは食事を、パンハイマはコーヒーをすすっていた。

 「叔父さん食べないの?」

 パスタを口に運びながら言ったサチの、さきほどからのその呼称に改めて不快感を催しパンハイマは僅かに眉をひそめた。

 「僕は帰宅途中に食べたよ、にしても叔父さんってのはやめてくれないかなあ。

 いくら親戚でも遠い血のつながりだし、叔父ではないと思うんだけど」

 「義兄さんのがいい?」

 「『ハンス』だ」

  過剰に砂糖を入れたコーヒーを一口含んで彼は話題を戻す。

 「エミコ君離婚するんだって?まあそれはそうとしてもさ、どうでもいいってこたないじゃないか。

 君にも大きく関わってくる問題だよ?」

 「別にいいもん。めんどくさい」

 あっさり言い放った彼女をなかなかノーフューチャーな娘だ、と内心パンハイマは呆れ返った。

 「どっちに着いてったってあんま変わらないよ。何も変わらない」

 あまりに何も考えていないサチを前に、ここは一つ大人らしくびしっと言ってやろうと彼は言葉を探して思考を巡らせた。

 どうしたって彼は姿かたちも声も少年のままなのだから無意味のような気はするが。

 ふと視線を落としたパンハイマは、フォークを握る彼女の手の袖から覗く手首にチラチラと線が走っているのに気づいた。

 パンハイマの視力は人間の比ではない。それが何か刃物で手首を切りつけた後だと言うことはすぐにわかった。

 急に胸に沸いた焦りのような感情を押さえ込みパンハイマは無言で再びコーヒーを口に運ぶ。

 そういえば親戚に一人、何度も自殺未遂を繰り返してる女の子がいたって…

 まさかね。

 自分の考えを打ち消したパンハイマがコーヒーを飲み干すのと、サチが最後の一口を運ぶのとはほぼ同時だった。

  彼女が口の中のものを飲み下すのを待って、パンハイマが先に声をかけた。

 「ウチに居座る気かい?」

 「ダメ?」

 ペーパーナプキンで口を拭きながら間髪いれずに、別段悪びれた風もなく彼女が聞き返す。

 「まさか。歓迎するよ、だけど君の親には連絡させてもらうよ。いいね?」

 「待って!」

 パンハイマがポケットから取り出した携帯電話を、テーブルに身を乗り出したサチがあわてて制した。

 「連絡するのがダメなら君は明日にでも首に縄つけて親元に送り返す」

 「…」

 パンハイマの眼はヘッドディプレイに覆われ、何ら感情を読み取る事はできない。

 しかしサチは彼が本気だとその下の本来の瞳が語っている事を悟った。

 さっきまでの軽い雰囲気からは想像もつかないパンハイマの圧力に負け、ほんの数秒の沈黙の後にうつむいたサチは答えを導き出した。

 「明日自分で…する」

 「オーケー。さ、帰ろうか」

 その返事に満足し、緊張を解いてパンハイマはにっこり笑って見せた。



  会計の際にレジに立った中年の店員はパンハイマと同じマンションの二階に住んでおり、脱サラで店長になった男である。

 伝票を渡しながら男が先に話し掛けた。

 「よう。夜中に女の子連れてお食事たあ感心しねえな」

 ニヤと笑って男はパンハイマの背後の売店で物色を始めたサチを眺める。

 「やあ店長。ありゃ親戚の子だよ、景気は?」

 「そこそこやってるな。ま、食うには困らないよ。深夜に来るお子様もいたりするしな」

 店長はパンハイマを近所に住むただの酔狂な子供だとしか思っていない。

 それはまあ、そうだ。見た目はただの15歳、多く見積もっても二十歳は行かない少年なのだから。

  二人が短い談笑をしていると突然、サチが弾かれたように店長とパンハイマの方へと振り返った。

 軽く肩を上下させている。僅かに呼吸が乱れたらしい。

 ほんの少しだけ表情を強張らせ、視線をじっと店長に縫い付けているサチにパンハイマが声をかけた。

 「どうしたの?」

 「おじさん、子供いるよね。二人」

 突拍子も無いサチの言葉にパンハイマと店長の二人が顔を見合わせる。

 おじさん、と彼女は言ったが視線が向けられているのは店長だとパンハイマは気づいた。。

 「子供? …ああ。いるけど」

 困惑しながらも店長が答える。サチは続けた。

 「悪い事をしても、私は言ってあげなきゃダメだと思うな。言いにくい事かも知んないけど、人間は口で言わなきゃわからないよ」

 「何の事?」

 二人の間にパンハイマが割り込むが、店長は少し肩をすくめただけだった。

 「ううん。わかんない」

 サチもそう言ってすぐに自動ドアを通り抜けて外へ出て行ってしまった。

 「何だありゃあ?」

 呆気に取られていたパンハイマに、しばらく腕を組んで考えを巡らせていた店長が口を開いた。

 「…お前に話したっけ?」

 「何を?」

 「俺に子供が二人いて、一人が傷害やらかして年少入ったって」

 「えっ、知らないよ?」

 「じゃ何であの娘は俺が…」

 そこまで言って怪訝そうな表情のまま、店長は言葉を切った。



  夜道を歩きながらパンハイマは先を行くサチに声をかけた。

 夜中の住宅街というのは恐ろしく静かだ。

 闇の中に沈んでいってしまいそうな静寂の中を、不意に彼の声が割いたのだ。

 「さっきのは?」

 「あの人、自分の子供と話せない。多分苦手なんだと思う」

 背を向けたまま実際に見聞きしてきたようにサチは確固たる口調で言った。

 闇をバックにして話す彼女は妙に存在が希薄で、触れたら消えてしまう幻のように感じられる。

 「何でわかるのさ?」

 自然にその言葉がパンハイマの口から出た。

 極めて素直で率直な疑問だった。

 パンハイマに借りた少し大きめのジャンパーを羽織ったサチがくるりと振り返り、悪戯っぽく笑って見せた。

 「超能力」

 「…僕は真面目に聞いてるんだけどなあ」

 「私も真面目に答えてるよ」

 二の言葉が見つからずにパンハイマは思わず口をつぐんだ。

 心が読めるのかな?

 現実的とは思えない考えを巡らせ始めたパンハイマは、ある実験をしてみる事にした。

 (おーい。聞こえてるんなら返事してくれ)

 と、パンハイマの隣に移って歩き出したサチに頭の中で連呼する。

 サチは夜気に白い息を吐きながら別段特に変わった様子もなく、小さく流行の歌など口ずさみながら歩いていた。

 「ア〜〜イ ラブ・ラブ・ラブ ユゥ♪ドゥユゥラヴミードゥ♪」

 (やっぱ親に電話して聞いてみるべきかなあ)

 今度こそはとちらとサチの横顔を盗み見たが、やはり変化はない。

 (フフフ実は僕は女の子を犯して殺してまた犯すのが趣味なんだ、裏庭にはもう6人も埋まってるんだぜ…

 うーむ、これにも反応なしか。

 まあ心なんかそうは読めるもんじゃないかなあ…と見せかけてこれはフェイント! どうだ!

 読めているんならそろそろ返事をしろッ!)

 ずっと自分を見つめているパンハイマにサチは怪訝そうに自分の視線を噛み合わせた。

 「何?」

 「ああ何でもないよ」

 あわてて視線を反らしながら、何だかバカバカしくなってきたのでパンハイマはそこで考えるのをやめにした。

  ドイツで行った学会に加え数ヶ月は仕事をしっぱなしだったので有給が溜まっている。

 ま、この娘としばらく過ごすのも悪くはないさと彼は自前の前向きな思考を心がける事にした。

 少なくとも退屈せずには済みそうな娘じゃなあないか。




  確かにサチに他人の心を読む能力はない。

 彼女が読み取る事のできるのは少し別のものだとパンハイマが知るのは、もうしばらく先である。




















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