プワゾンドールズ #3
- ハッピーエンド クリスマス -






レディオガール
RADIO GIRL


9.鬼影身


  男はうんざりするくらい同じ行動を生須の目の前で繰り返して見せた。

 黒衣に身を包み黒い帽子とサングラスに阻まれて表情はほとんどわからないが、しかし彼が絶えず嘲笑を浮かべているのを彼は

 感じ取っている。

 びくびくと肩を痙攣させながらゴッドジャンキーズの教徒の一人は今、ギクシャクとした不自然な動きで立ち上がった。

 その生白い指は硬質の刃へと変化し鋭利な武器となっている。

 刃先は幾度となく生須の喉下を霞めはしたが彼はその度に闇に身を翻し、相手の胴体にスローイングナイフを投げ付けていた。

 今胴体から13本の、それも猛毒の塗られたナイフを胸から生やしながら男はユラリと陽炎が立ち昇るように体勢を持ち直した。

 ボタボタ際限なく溢れる血液がコンクリートの床を叩き、たちまちのうちに暗黒の中の血臭が増す。

 「そいつに毒は効かん」

 腕を組んで傍観を決めこんでいた久牢が生須にアドバイスした。

 「お前たちとは身体の造りが根本的に違う。サイコノイドは人間ではない」

 毒を除いても二桁の刃物が胴体に突き立てられているにも関わらず、相手の命は尚も肉体から離れようとはしなかった。

 もう大分少なくなったしまったロングコートの下のスローイングナイフの数を確認しながら、生須は打開策を打ち出そうと必死に

 なっていた。

  パンハイマ達を行かせてからもう数十分は立っている。

 今相手をしている男は闇から溶け出し一番最初に襲い掛かってきた奴で、もうずっとさっきから悪戦苦闘を繰り返していた。

 戦闘能力事態はどうと言う事はないが、この頑丈さはどこから来るのだろう。

 「アレか。ドールズか?」

 切れた息を整えようと深呼吸をし、相手との間合いを計って後退しながら生須が半ば闇と同化している久牢に声をかけた。

 「サイコノイドは我らが主が死体を繋ぎ合わせて生み出した屍人形でな…思考能力はなく注入された『電波』のみを元に動く」

 「お前たちのリーダーはゾンビマスターか? ハイチを思い出すね」

 到底信じ難い話を一笑して顔の汗をコートの袖で拭い、懐から新たなナイフを抜いて腰を落として構える。

 今まで使っていたナイフよりもかなり肉厚があり刀身も長大だ。短剣と言ってもおかしくない。

  不意に正面で男の上体が折れ、倒れ込むようにして前方へ生須に向かって跳ねた。

 生須がすぐに反応し、空気を裂いて炸裂した横殴りの一撃を短剣を持ち上げてその相手の指と刃を噛み合せ、防ぐ。

 澄んだ音が響く中、彼は闇に閃く相手の武器を見た。

 相手の刃と化した指は手から直接生えており、指の筋肉に刃を外科的に接着してあるのだ。

 「便利そうな手だな。今度ケーキを切り分ける時に呼んでやる」

 片手をナイフの背に当てて力を込め、相手を押し返しながら生須が不敵に笑って見せる。

 相手がナイフに噛み合わせているのは片腕だけなのに、両手でナイフを持つ生須は膝が笑いそうなくらいの負担を強いられた。

 信じられないくらいの力だ。

  生須の不敵な笑みが脂汗により消える寸前、相手の左手が闇に霞んだ。

 咄嗟に後退しようとした彼の身体をナイフを手にしている自らの右手が妨害した。

 相手が噛み合わせていた手で刀身を掴んでいたのである。

 両手を胸の前で組んでブロックしなければ心臓を抉り取られていただろう、腕から吹き出した自分の鮮血に見舞われて生須は

 背後に吹き飛んだ。

 背中での着地を余儀なくされコンクリートの上を数回転して立ち上がり、再び構えた時にはすでに新しいナイフを手にしている。

 腕の傷はそう深くはなく、皮膚を切り裂かれた程度だ。

  空気が漏れるような笑い声が響いた。

 目の前の生ける死体の表情が歪み暗い口腔からそれを漏らしたのだ。

 生気がまったく感じられない顔色や肌は他のゴッドジャンキーズのメンバーと一緒だが、こいつは格別だ。

 人間が人形に変貌した連中とは違いサイコノイドと呼ばれたこの男は最初から生きていない。

 男は手に残っていた短剣を自らの胸に突き立てて見せた。

 黒い血の塊が床に放たれ銀光を放つ鉄片が新たに生えたが、一向にひるむ様子はない。



 「バケモノめ」

 苦し紛れに笑った生須に対し、相手は疲れを知らないかのごとく猛然とコンクリートを蹴った。

 それを静観しながら生須は胸のロザリオを手の中に収めて直立不動の体勢を取る。

 諦めた? まさか。

 襲い掛かる相手を前に構えを解いた生須に対する久牢の思惑を他所に、彼は悠然と静かに言葉を口にし始めた。

 「天を見下ろす我らが偉なる存在よ、哀れなる迷い子を導き給え…」

 血液を撒き散らしながら突進する相手との距離はもう2mもない。

 構わず一本調子で生須は祈りの言葉を続けた。
  かりそめ                                                       
 「仮初の命を与えし愚者共にその光を以て罰を、悪魔の所業を行いし愚者にその手を以て慈悲を、彼の御名において命ずる、
    カルマ  
 汝が業、顧の灼熱にその身を焦がれかし!」

 キッと相手を睨んだ生須が言葉を言い切るのとサイコノイドが一本の槍と化した腕を突き出すのはほぼ同時だった。

 生須の左胸と一直線にサイコノイドの腕が繋がる。

 一瞬落ちた静寂を彼の声が破った。

 「こいつはイギリスで手に入れたモンでな、カラゴラム大聖堂の十字架を溶かして作った破邪の短剣だ」

 生須が眼前の相手の胸から生えた短剣の柄を掴んだ。
    ターンアンデッド
 「次は死霊帰しの防止策も施しておくんだな。ランチェスターで戦ったゾンビどもはこんなモンじゃなかった」

 刀身を引き抜くと同時に糸が切れたごとくサイコノイドは黒炭化し、原型を失って崩れ落ちてゆく。

 がらがらと騒々しい金属音を立ててその胸に突き立っていたナイフがコンクリートに落ちて灰にまみれた。

 胸についたサイコノイドだった黒炭を手で払いながら、生須が久牢に向き直る。

 「オモチャで遊ぶのはここまでだ」

 挑戦を受けて久牢がゆっくりと背を預けていた壁から離れる。

 革靴がコンクリートを蹴る音が粘質の闇を満たした。

 「貴様、何者だ?」

 両腕を垂らして刃のように鋭利な眼を更に細めた久牢と生須はやや距離を置いて対峙した。

 肩まで無造作に伸ばした黒髪と痩せた落ちた頬、そしてゴッドジャンキーズ特有の白蝋の肌。

 相手が丸腰だと言う事はすぐにわかったが生須は構えを解かず、久牢の質問に答える。

 「イクス。何でも屋さ、趣味は世界旅行とナイフコレクション」

 闇と一体化した久牢が溜め込んだ殺気を一斉に発散するのと生須が右手を一振りさせるのはほぼ同時だった。

 二人の間で衝突した殺気がお互い霧散し、消えた。

 暗黒の中を一瞬裂いた閃きはすべて久牢の眼前の中空で停止している。

 「刃物で遊ぶのが好きだと言う事はよーくわかった」

 自らの影から瞬時にして生えた、細い艶やかな髪のようなものを編んで構成された巨大な掌の反対側で久牢が笑う。

 掌は絡み取った三本のナイフごとそのままゆっくりと、水面に浮かび上がってきた魚が底へ戻るように影の中へと消えて行った。

 「『髪牢』…さて、貴様に見切れるかな? この手品のトリックはちとややこしいぞ」」

 犬歯をむき出した冷笑を貼り付かせたまま不意に久牢が垂らしていた腕を背後に引いて床を撫でるように前方に振った。

 床に落ちていた僅かな照明で発生していた彼自身の影が大きく歪み、生えた髪が編み合わさって巨大なサメの背びれのような

 刃へと姿を変える。

 糸が切れたように突然その新たな久牢の武器は音もなく猛スピードでコンクリートを滑り始めた。

 まさに水面に露出しているサメの背びれそのものだ、正面きって襲い掛かってきたその刃を生須は身を捻ってかわす。

 ほんの一瞬、彼の体勢が崩れたのを狙って久牢がコンクリートを蹴って間合いを詰めた。

 勢いに乗せて放った、何か黒いもやのような物をまとわりつかせた手刀を袈裟切りで生須の首筋に炸裂させる。

 刃が噛み合う音が澱んだ闇に響いた。

 片手の短剣を持ち上げて久牢の手刀を防いだ生須が剣の背にもう片手を沿えて相手を押し返す。

 素手で刃にぶつかったのに影をまとった久牢の腕は微塵も傷ついていない。

 不意に生須の右足が跳ね上がった。

 下腹部に伸びた蹴りを片手を下ろして防ぎながら久牢が後退する。

 彼の両足がコンクリートにつくよりも早く、生須は片手で懐から抜いたスローイングナイフを浴びせ掛けた。

 銀光が闇を裂いた刹那、久牢の腕がまとっていた影が膨張し広がる。

 鉄が石を噛んだような耳障りな音を放ってスローイングナイフはすべて久牢が影を変質させて作った盾に阻まれ、床に散った。

 乾いた音が止み、一瞬落ちた静寂の中二人は対峙する。

  サイコノイドを相手にしたりしていた分だけ残存スタミナの点では久牢に利がある。

 肩で息をする相手に楽しげに目を細め、不意に久牢が身を翻した。

 到底相手には届かない距離で放った旋風脚は、もちろん生須のやや前方で空振りをする。

 困惑と警戒で身に緊張を走らせた生須の右頬を突然何かが横殴りに通り過ぎて行った。

 衝撃のあまり空中で横に一回転してコンクリートに転がった彼は訳もわからずあわてて横転しその場から逃れ、立ち上がる。

 口の中に生暖かいものが広がる。口腔のどこかを出血したようだ。

 再び3mほど先で久牢のつま先が跳ね上がった時、生須は見た。

 相手の足が伸びたのである。

 正確に言えば蹴りを放った足に一瞬遅れて生えた影の鞭が、その蹴りの延長線の軌道上にあるものを薙ぎ払っているのだ。

 右に跳ねた生須の顎先を唸りを上げて影の鞭はかすめて行った。

 ずきずきと鈍い痛みを放つ右頬を抑えて表情を歪め、彼は罵倒を口にする。

 「色々面白い事しやがって」

 生須の言葉を笑みで返して久牢は右手を引き、床を撫でる仕草をした。

 久牢の影から持ち上がった髪の束が刃へと形を変え、水面を走るサメの背びれのように生須に直進を開始する。

  生須の胸には激しい焦りがあった。

 しきりに自分との距離を変えてくる相手の戦法で己の間合いが掴めないのだ。

 短剣を握り直して床を走る刃を再び身を翻して回避し、生須は相手との距離を計ろうとじりじりと前進した。

 彼がやり過ごした刃が後方で旋回して再び切っ先を彼に向けた時、不意に生須の両足首に這うような悪寒が走った。

 抵抗が発生している事に気づいて視線を落とすと己の影から生えた髪が自身の足首を絡め取っている。

 行動を制限された事を理解し慌てて懐に手を突っ込み何か紙切れのような物を取り出した彼を久牢はいぶかしみながらも、

 警戒を怠る事なく再び腕を振って床に刃を作り出す。

 いかに回避しようともかわした瞬間までにも加えられた攻撃は防げまい。

 久牢の目の前にできた腰ほどの高さの刃は見る見るうちに分裂を繰り返し、やがて彼の周囲を埋め尽くした。

 「殺すには惜しいが」

 そうひと言だけ呟き、腕をもう一振りした彼の周囲の刃は猟犬のごとく一斉にあらゆる角度に散って生須に襲い掛かる。

 床は勿論壁や天井にまで散開した刃たちは再び一点に向かって殺到した。すなわち虜になった生須の元へ。

 天井や壁を這っていた影の刃は一瞬空中に踊り出してブーメランのような刀身を見せる。

 たちまち黒い刃に覆われて姿の隠れた生須の身体を鋭利な刃は木の葉のように微塵に切り裂き、すぐに彼の人型は跡形もなく

 消滅した。

 刃は影に飲まれて元あった場所へと消え、再び闇を静寂が満たす。

 張り詰めるような静けさの中、久牢は足元に舞ってきた布の一片を見下ろした。生須のロングコートの欠端だ。

 ポッと闇にか細い炎が灯る。

 その欠端は僅かな間炎を放ってすぐに燃え尽き、消えた。

 「…」

 何の感想も漏らさずにただその一片を見つめていた久牢が突然弾かれたように身を翻す。

 空気を裂く音とほぼ同時に喉元まで上げた腕に数本、銀光を放つ刃が生えた。

 苦痛に僅かに表情を歪めた久牢のその背後から忽然と男が姿を現す。
                      からせみ
 「京都である隠陽師から盗…借りた空蝉の刃だ。面白いだろ」

 ついさっきまで生須が立っていた、久牢の放った影の刃が殺到した場所のコンクリートの上に一本の刃が突き立てられていた。

 刃の中ほどのあたりに紙人形の切れ端が串刺しになっている。

 身代わりを作り出して本体は縛めから逃れ、蝉が羽化して脱皮するように現状から脱出する方法である。

  常軌を逸した能力の内容をさらりと説明し、生須はがっくりとコンクリートに膝をついた久牢を見た。

 タキシードの袖口から覗く白蝋のごとく白い肌が異様な紫へと変色を初めている。

 ナイフが命中した方の腕だ、塗られた毒が回り始めたらしい。

 しかしその結果に満足せずに生須は痙攣する腕を押さえてうずくまる相手を見下ろし、舌打ちをした。

 「そいつがどんな毒がわかっててお前は意識を保ってるんだろうな」

 ぐ、と呻いて久牢は生須を睨み返した。

 全身を這い回る麻痺の脅威に肉体は屈しようとも、切れ長の瞳からは微塵も殺意は失せていない。

 やれやれと漏らしながら生須が片手の短剣を切っ先に持ち替え投げの体勢を取る。

 半歩踏み出したつま先が久牢の落とした影を踏んだ事には気づいていない。

 電光の勢いで生須の右手が霞む瞬間、彼の視界を両脇の影から持ち上がった何かが覆い尽くした。

 警戒が働くよりはるかに早く波のように跳ね上がった影の髪は瞬間的に生須の全身に巻き付き、再び元在った影の中へと

 引きずり込んでゆく。

 抵抗する間も悲鳴を上げる暇もない。

 あっという間に消えた相手の姿を確認し、おぼつかない足取りで久牢が何とか体を起こす。

 「闇に還るがいい」

 呟いた声はしばらく暗黒の中を木霊していたが、それも久牢が踵を返すとすぐに消えた。



  一方、パンハイマはイコンの手を引いて闇の中を疾走していた。

 彼には生須やミントのように死線の狭間で手に入れた戦いの勘のようなものがない。

 しかし自身と隣の少女がコンクリートを蹴る以外の音は、僅かだが彼の耳に入って来ていた。

 いる。ゴッドジャンキーズの連中だ。

 「何人くらいだと思う?」

 息も切れ切れにパンハイマがイコンに聞いた。

 自慢の金髪が汗で顔に張り付いているが、一向に構う気配はない。

 「10人くらいかな」

 イコンの呼吸はほとんど乱れていない。

 パンハイマはさっきからいぶかしんでいたが、その事を聞くのは後にしておいた。

 状況はかなり切羽詰っている。

 こちらの武器は銃が一丁、守ってくれる二人はすでにいない。

  イコンの指示で何回も闇の中の通路を右折左折を繰り返しながら、必死の逃避行は続いていた。

 息遣いも足音もほどんと聞こえないが、しかし訓練された猟犬のように追っ手達は決して焦らずに距離を詰めてくる。

 背後をじわじわ焼く焦燥にパンハイマは罵りを漏らした。

 「ジーザス! イコン、いつかの君の力は?使えないの」

 「クシミナカタのバックアップがないと私のピクチャーナイトメアウォーカーの力は一切使えないの。

 久牢は電池を充電するみたいに定期的に影の中に『電波』を補充すればいいんだけど、私のは使う都度送ってもらわないと…」

 風圧に乱れて大きな瞳にかかる艶やかな黒髪を撫で付けながらイコンが答える。

 遠くに見えていた光点の輪郭は近寄るにつれて浮かび上がり、ついにその姿を二人の前に現した。

 今まで何回かくぐったゲートに比べ数段巨大な観音開きの門だ、ここだけは周囲にライトが完備され闇を払っている。

 青く塗装されていはいるがそこら中に錆を吹いている鋼鉄製の門の中央には、ゴッドジャンキーズのシンボルマークが

 ペイントされていた。

 円形の中で曲線がのた打ち回っている奇妙なマークだ、イコンを含む教徒達の喉の下にも刺青として入っている。

 ライトが落とした灯りがパンハイマの金髪で光を砕き、周囲に玉のように散っていた。

 彼が門の取っ手を掴むと体重をかけて力いっぱい引っ張るが、門はぴくりとも動かない。

 「カギが?」

 力を抜いて取っ手をガチャガチャやりながらパンハイマが背後のイコンに聞く。

 「いいえ。ここは祭壇に続くメインゲートだけどカギはないわ」

 要は扉の重量がパンハイマの筋力を上回っているのだろう。

 「この向こうにサチ達がいるのか」

 再びパンハイマが取っ手に手をかけた時だった。

 突然扉の一部分、彼のすぐ右隣の頭の横の鉄板が内側から大きな衝撃を受けて突き出した。

 パンハイマが鉄の拳で殴ったような音にぎょっとして飛び退く。

 数回、扉の反対側で何者かが鋼鉄の鉄板に何かを打ちつけた。

 その度に鉄板は紙のように容易く歪み、大きくへこんでパンハイマ達が居る方の側に突き出す。

 訳もわからないまま彼がイコンを追いやり警戒して銃を抜いた時、ついに蝶番が吹き飛んで扉はコンクリートに崩れ落ちた。

 倒れてきた扉に潰されそうになりあわてて二人がその場から後退する。
          ゼロトゥフォア
 「いるかしら? 024」

 緊張に強張る二人の耳に、扉の向こうの闇の奥から聞きなれた声が飛び込んできた。

 だけど記憶の中のサチのものより数段冷たく、抑揚のない氷のような声。
       ゼロトゥハイヴ
 「いるわね、025」

 誰かと話しているような感じだが声は同一人物のものだ。

 「サチ?!」

 彼女の名を呼びながらふと、パンハイマは奇妙な感覚に囚われた。

 彼女の背の高さはパンハイマとほとんど変わらない筈、しかし今響いてくる声は彼の頭上から放たれている。

 イコンがパンハイマの背の防弾ベストを掴んだ。

 声は手と同じく震えていた。

 「…ナイトメアウォーカーの臭いがする。これ、サチじゃない…」





















(画像提供コジ猊下。THANK YOU!)



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